たとえ親子であっても、父親名義や母親名義の土地や住宅を勝手に売却することはできません。
ところが不動産所有者(親)が認知症になってしまうと「正常な判断ができない」とされ、本人による不動産売却ができなくなります。
では一体どうすればいいのでしょうか?
不動産を親子共同名義にする方法は?共同名義なら子の判断で売却できる?
不動産を親子共同名義にしておけば万一親が認知症になったとしても、子の判断で土地の売却や自宅のリノベーションができるようにイメージできますね。
ところが共同名義人である親が認知症になると、不動産売却や大規模リノベーションができないとされており、高齢の親がいる場合は早めに対策を講じておく必要があるのです。
そこで対応策として浮上するのが不動産を子に売却する「親族間売買」です。
親族間売買には2つの方法があります。
・親子間売買…売買契約書を締結し名義を子に変えるのですが、税金がかかる可能性があります。
・生前贈与…生前贈与として子に不動産を贈る方法があり非課税枠は110万円、贈与された不動産の価値が110万円までであれば税金はかからない
不動産名義が親であり、さらに親が認知症になったとき!この方法で対処
不動産名義が父親や母親となっており、共同名義ではなかった場合は「成年後見制度」を使う対策法があります。
成年後見制度には2つの方法があります。
1・法定後見制度…すでに本人の判断力が認知症により著しく低下している場合、家庭裁判所によって代理人を選ぶ制度
2・任意後見制度…現段階では十分な判断力があるが、万一のことを考えて事前に後見人を選ぶ制度
すでに認知症を発症し正常な判断ができない場合は法定後見制度を利用することになりますが、本人が元気なうちに任意後見制度で後見人を選ぶ方が「本人が希望する方に後見人になってもらえる」点で有利です。
子が成年後見人となれば、親が認知症になったとしても不動産の売却が可能になります。
ただし本人が住んでいる家を売却すると「実家を売ることで本人の帰る場所がなくなる」ということになり、家庭裁判所の許可が必要です。
また親の所有する土地や不動産物件も売却額が高額になることから勝手に売却することはできず、事前に家庭裁判所に相談し「この不動産を売却していいかどうか」確認することをおすすめします。
不動産を複数所有している高齢の親がいる場合、早めに売却して生前贈与してもらう、名義を早めに子に変更する(親子間売買をおこなう)など早めの対策が有効です。
まとめ
親が認知症になると正常な判断ができず、結果的に本人の意思で不動産が売却できなくなります。
高齢の親がいる場合、できるだけ早く「成年後見人になる(任意後見制度利用)/生前贈与をする/親子間売買で不動産を子の名義に変える」などの対策をおこないましょう。
親が複数不動産を所有している場合は、とくに早めの対策が必要です。
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