昨今、弊社では、投資物件の低利回り化(価格高額化)・金融機関融資厳格化により、一棟レバレッジ投資から、区分所有オーナーチェンジ物件へ不動産投資されるお客様が増えてまいりました。
単純に高利回りを目的とするのではなく、分散投資によるリスクヘッジ、将来の資金需要に際して個別売却によって資金化できる、いつ起こるか分からない相続の対策等の理由で、複数物件を、借入無しキャッシュ購入されています。
今回は「オーナーチェンジ物件投資」について、注意するべき点を申し上げます。
【表面利回り】について
表面利回りとは、「現在の月額賃料・共益費収入」×12ヶ月(1年分)を物件価格で割り戻した%となります。
EX)月額賃料共益費収入金80,000円×12=960,000円/物件価格18,000,000円であれば、表面利回りは5.33%です。
購入の目安となりますが、実質的な利回りとは大きく乖離しています。
【実質的な利回り】とは、
所有者が管理組合に支払う月々の管理費・修繕積立金並びに固定資産・都市計画税を
月々の収入となる賃料・共益費収入から差し引いた金額を物件価格で割り戻した%です。
EX)物件価格 金18,000,000円①
月額賃料・共益費 金80,000円②
月額管理費・修繕積立金 金10,000円③
年額固定資産税・都市計画税 金50,000円④
上記のEXであれば、
実質的な利回りは、{(②-③)×12-④}/① = 4.38% となります。
オーナーチェンジ物件投資のメリットとして、入居者が住んでいる状態のまま賃貸借契約を引き継いで、購入時より収入が約束されている点があげれます。しかし、現在の賃借人が退去した場合、次期賃借人募集をする必要が生じます。これには、空室・無収入期間(募集期間)や新規賃借人募集・契約締結際して費用が発生します。
その費用とは、①募集に係る広告料 ②水回り等室内洗い・リフォーム費用です。
①
については、募集時期・エリアによってケースバイケースですが、賃料の1~2ケ月
②
についても使用状況によってケースバイケースですが、単身者用の場合、金5万円~金20万円を要します。
入居期間は様々です。2年ほどで退去されることもあれば、10年超居住される場合もあります。
そして、賃借人との折衝の仲立人としての管理会社に対して、管理委託料が発生します。
月々の賃料・共益費収入の5%が管理委託料の相場です。
弊社における管理業務の主な内容は、会計業務として未収金督促、運営調整業務として苦情受付及び対応・各種苦情相談に関する貸主への報告協議等、解約明渡時業務として解約受付・退去立会い等となります。
さらに注意点として、
現在の賃貸借契約内容、賃借人の属性、連帯保証人の有無、家賃等保証会社との契約の有無、契約借家人賠償保険契約の有無を確認する必要がございます。
オーナーチェンジ物件投資は、賃貸借契約付きです。賃貸借契約をそのまま引き継ぐことになりますので、契約の内容、入居者属性については、十分に確認することが重要です。