「父親(夫)は一体どれだけの不動産を持っていたのだろう?」親御さん亡き後、相続人となった配偶者や子はまず、被相続人の持つ不動産の正確なデータを把握しなければなりません。
その調査に役立つのが「名寄帳(なよせちょう)」です。
今回は名寄帳の取得方法や委任の方法についてまとめています。
相続人が被相続人の所有不動産を正確に把握できる名寄帳
被相続人が亡くなった後、相続人が「亡くなった父親がどんな不動産を持っていたのかわからない」というケースが多くあります。
自宅以外にも別宅や土地、田畑、賃貸アパートなどの不動産を持っていることもあり、それら不動産情報を正確に洗いださなければ以下のような問題が生じます。
・相続登記ができないまま放置される
・相続税申告で申告漏れが発生する
そこで、被相続人がどれだけの不動産を持っているのかどうか確認する方法として「名寄帳」取り寄せがあります。
名寄帳とは特定の方が所有する不動産一覧表で、市町村の役所に申請すれば取得が可能です。
取得方法は各市町村役場の固定資産税課窓口で申請しますが、郵送での取得もできます。(市役所ごとに対応できる課が異なるので事前に確認しておきましょう)
名寄帳を取得できるのは「所有者本人/相続人/代理人」になり、相続人が被相続人(所有者本人)の名寄帳を取得する場合は、相続人か代理人が申請することになります。
名寄帳を取得するためには市役所の窓口で以下の書類を提出しましょう。
・運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど本人確認書類
・被相続人の死亡が確認できる書類(除籍謄本など、コピー可)
本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなど顔写真がついているものは1点でOKですが、顔写真のない健康保険証や年金手帳、運転経歴証明書、会社の身分証明書であれば2点必要です。
もし郵送で名寄帳を取得するのであれば、切手を貼った返信用封筒と手数料分の定額小為替を同封しましょう。
名寄帳の取得に代理人は申請できる?委任の方法について
名寄帳の取得には、相続人だけではなく相続人から委任された方であっても可能です。
この場合、以下のような書類をそろえて市役所の固定資産税課窓口に申請しましょう。
・名寄帳の申請用紙
・相続人と依頼人の本人確認書類
・相続者であることがわかる書類
・被相続人の死亡が確認できる書類
・委任状
代理人の委任状が必要なのはもちろん、相続人と依頼人双方の本人確認書類が必要なので注意してください。
まとめ
名寄帳は、相続する不動産を確認するうえでとても重要なものです。
被相続人がどれだけの財産を持っているのか、きちんと把握しておかないと後々トラブルになる可能性もあります。
相続人は名寄帳をチェックして不動産を把握しておきましょう。
今は新型コロナウイルスが流行しているため、市役所などの窓口に直接申請するのではなく、郵送での申請がおすすめです。